症状別の整体とエッセイ
妊活・不妊症の整体
不妊症の背景には、共通した自律神経の働きの問題があります。
妊娠するためのポイントを自律神経を交えて解説していきます。
妊娠のポイントは、大きく分けると、
・ホルモンの問題
・身体の機能の問題(血液循環、消化・吸収、排泄、睡眠)
・精神的ストレスの問題
の3つになります。
ここから原因を考えていくと、妊娠するためには、何に取り組んだら良いのかが分かります。
・ホルモンの問題
卵子を育てる指令は、脳から分泌されるホルモンの働きによるものです。
指令が出ていなければ、そもそも卵子は育ちません。
病院で行う治療は、お薬によってホルモン値を上げるためのものです。
病院では数値を上げる事にこだわり、ここしか見ませんので、元々の身体の状態がそれほど悪くなければ妊娠できます。
ホルモン剤を使っても妊娠しないのは、これ以外の問題があるからです。
お薬の問題は、副作用として交感神経が緊張し過ぎて、
・血液循環の悪化
・内蔵機能の低下
を招いてしまう事。
これでは、ますます妊娠しにくい身体になってしまいます。
そのため、病院で頑張っても結果が出ない場合には、違う方法を考えていく必要があるのです。
・身体の機能の問題(血液循環、消化・吸収、排泄、睡眠)
卵子は100日~120日かけて成長し、排卵します。
つまり、3~4ヶ月前からの健康状態が卵子の成長に影響を与えるのです。
卵子が十分に育たない場合や着床しない場合には、身体のどこかに問題があるので、それらを改善できれば卵子は元気に育ちます。
それぞれを具体的に解説していきます。
①血液循環
子宮・卵巣へ栄養、酸素、ホルモンを運んでいるのが、血液です。
血液循環が悪いと卵子はうまく育ちません。
血液循環の悪い人は、自律神経の働きに問題があり、身体が冷えています。
体温は動脈の血液によって運ばれますから、足が冷えているのは足への熱が十分に運ばれていないという事。
つまり血液循環が悪いのです。
足への血流が悪いと子宮・卵巣へも血液が十分に流れていないのです。
血液循環の改善には、
・ポンプの役割である心臓の働きを活発にする交感神経
・血管を拡げる役割の副交感神経
この2つのバランスが適切になる様に整えることです。
②消化・吸収
不妊症の人の約9割は、貧血だと言われています。
一般的な血液検査では分からなくても、特殊な血液検査で「フェリチン」の数値を調べると分かるそうです。
貧血だと妊娠しにくいのは、
・赤血球が不足すると、細胞に十分な酸素を運べず酸欠になってしまうため(赤血球は鉄分とたんぱく質でできています)
・鉄分は、細胞とホルモンの材料として使われるため、不足すると卵子の質が悪くなったり、ホルモンが不足するため
この様な理由からです。
改善には鉄分の補給とその吸収を高める事です。
鉄分は食事やサプリメントからの摂取ですが、たんぱく質との組み合わせで効果が上がります。
ただ、胃腸が弱っていると吸収力が落ちるために効果が半減してしまいます。
副交感神経の働きで、胃腸は活発に働くため吸収力が向上します。
妊娠に必要な栄養やビタミン、ミネラルの吸収についても同様の事が言えます。
食べる物を選ぶ事も必要ですが、それ以上に栄養をしっかり吸収できる身体の状態でいる事が大切なのです。
③排泄
身体に不必要なものを排泄する機能です。
排泄できなければ、〝毒〟として身体の中に蓄積されていきますので、病気になりやすくなったり、疲れやすくなります。
不妊症の人は、便秘の方が多いので、排泄機能も改善していきましす。
快汗・快尿・快便で、デトックス出来ている事はとても大切なのです。
臓器では、大腸、肝臓、腎臓の働きとの関係です。
④睡眠
疲労の回復と身体の修復は、眠っている間に行われます。
そのため身体の機能を改善していく上で、最も大切なのが睡眠です。
身体の修復度合を左右するのは、睡眠の時間(長さ)よりも質(深さ)です。
朝にスッキリと目覚められているかどうかで、睡眠の質を判断できます。
また、妊娠に関係している性腺刺激ホルモン(FSH、LH)の分泌に関与していると言われているのが、深い睡眠(ノンレム睡眠)時に分泌される成長ホルモンです。
この事からも妊娠と睡眠の質は、とても関係が深いのです。
睡眠の質が悪くなる原因は、人によって違いますが、共通しているのは自律神経の働きに問題があること。
改善のセルフケアとしては、
・適度な運動
・カフェインやアルコールを控える
・入眠2時間前からは、スマホやパソコンは見ない
・腹式呼吸をする
などです。
まとめ
ここまで見てきて分かると思いますが、不妊症の身体の機能の改善とは、健康になることなのです。
だからどうしたら健康になるのかを考えた方が、妊娠しやすいのです。
気をつける点としては、以下の症状があるかどうかです。
・頭痛
・肩こり
・腰痛
・生理痛
・貧血
・便秘
・不眠
・冷え
・足のむくみ
これらは健康であれば、本来はないはずの症状です。
少しでも当てはまるものがあるなら、それを解消していくことも体質改善です。
その分だけ妊娠に近づけるのです。
・精神的ストレスの問題
妊活中につきものなのが、ストレスです。
知らず、知らずのうちにストレスを溜め込んでしまって、それが妊娠の邪魔をしている事も少なくありません。
ストレスの身体への影響
ストレスを感じると交感神経が緊張し、それが長期化した場合に問題が起こります。
・血液循環が悪くなる
・内蔵の働きが悪くなる
・筋肉が硬くなる
・眠れなくなる
これが積み重なると身体はどんどん疲れて、色々な身体の機能が低下します。
自分の身体を守るのに精一杯になってしまうので、妊娠出産からは遠ざかってしまうのです。
また抗ストレスホルモンの材料であるコレステロールは、女性ホルモンの材料でもあるので、不足すると卵胞が育たなくなってしまうのです。
では、どうすればいいのか・・・・
まず大事なのは、
ストレスを感じている自分に気付く事。
そして、〝何にストレスを感じているのか〟に気付くことです。
妊活自体もストレスになります。
・なかなか妊娠できない
・今の生活をいつまで続けるのか
・頑張り疲れてしまった
人間関係もストレスになります。
・ご主人との関係
・親族との妊活の話
・職場の人間関係
また、妊活のために好きな仕事や趣味をやめた事もストレスになる場合が多いです。
ストレスをうまく解消し、自律神経を整えるには
ストレスの発散
仕事や趣味など好きなものは、無理にやめる必要はありません。
運動をして身体を動かしたり、腹式呼吸法(マインドフルネス瞑想)をして、意識を過去や未来ではなく〝今ここにいる自分〟に戻す事は、科学的にも効果が証明されているストレス解消法です。
また、ストレスに感じた事を紙に書き出したり、身近な人に聞いてもらうのも効果があります。
気持ちを表に出す事も大事なのです。
・腹式呼吸法のやり方
まずは、あごを引いて背筋を伸ばします。
肩の力を抜いて下腹に力を入れ、お腹をへこませながらゆっくりと口から息を吐きます。
これ以上は出来ないという程にゆっくりと息を吐いて、肺の中の空気が完全になくなるまで、吐き切ります。
吐き切ったら下腹の力を緩め、お腹を膨らませながら鼻から息を吸います。
呼吸に意識を集中する事が、ポイントです。
雑念が浮かんだら注意を呼吸に戻します。(雑念は浮かんで当然なので、自分を責めない)
座って行う以外でも、歩きながら行っても良いです。
1日5分、10分でもいいので、毎日続ける事が大切です。
ストレスを溜めない考え方
真面目で責任感の強い人程、自分を責めてストレスを抱えこんでしまいます。
自分を変えようと思わないで、ありのまま受け入れてあげる事が大切です。
完璧主義をやめて自分を許し、何があっても決して自分を責めたりしない事。
日常のどんな些細な事でも良いので、頑張っている自分を認めて褒めてあげる事。
妊活も長い人生の一部なので、今のままでその中に楽しみや喜びを見つけるつもりで取り組むのです。
それが自律神経を整えて、妊娠に良い影響を与えます。
≫参照:厚生労働省:みんなのメンタルヘルス セルフケアでこころを元気に
≫当院の自律神経整体について:自律神経失調症の整体