症状別の整体とエッセイ
整体的 不調の本当の正体
人の身体には、自分自身を守るための機能と治癒力が備わっています。
今まで敵だと思っていた痛みや辛い不調が起こることには2つの意味と役割があります。
一つは、日常の生活習慣の中で自分の体質に適さない行動をしている場合に、それをやめさせたり、変化をさせるためのサインとしての役割です。
自律神経が乱れた生活を続けることは、生命の危機に関わります。
人の身体は自分の命を守るために、不快な感覚を使って行動を変えるように促しているのです。
もし、それに気が付かなかったり、無視を続けた場合には、痛みや不調を起こして激しく変化を求めてきます。
不快に感じる症状は、自分自身を守って生きるために、身体に備わっている機能なのです。
もう一つは、症状そのものが身体を治すための治癒反応としての役割です。
例えば、炎症は熱を出すことで、血管を広げて血流をよくして、新陳代謝を高めるための反応です。
また、痛みを出すことは、身体の悪い所をしっかりと認識できる様にするための反応です。
悪い所に意識を集中させる事で、壊れた組織を修復するための物質を集めやすくして、自然治癒力を高めているのです。
反対に身体に悪い所があっても痛みを感じられない場合には、なかなか良くなっていきません。
転んで膝を擦りむいた時でも痛みを感じなければ、なかなか出血が止まらずに傷口が治るのも遅くなるわけです。
整体をすると一時的に症状が酷くなった様に感じる事があります。
症状を経過させるために自然治癒力を高めているのです。
身体には、自分自身を治すための自然治癒力が備わっていて、痛みや不調が起こることにも必ず何かしらの意味があります。
対症療法で症状を一時的に抑えることは、根本的な解決にならないばかりでなく、身体が本来やろうとしている事を邪魔してしまっているのです。
長期間に渡って、痛みや不調を誤魔化し続けていると、身体の問題をこじらせてしまう事もあります。
整体を行う目的は、今ある症状を抑えることではなく、自律神経を整えて身体を健康な状態にする事です。
身体がやろうとしている事を症状や身体の状態から読み取って、それが上手くいくようにきっかけを与えたり、手伝ってあげるのです。
それが上手くいくと、役目を終えた痛みや不調は、自然と治まっていきます。
痛みや不調はとても辛いものですが、本当の問題は痛みや不調そのものではなく、
「どうして痛みや不調が起きているのか」
なのです。